博物館は家族、故郷と価値を一緒に守る

 コミュニティ作りに経験が深い宜蘭県では、1995年に同県政府がエコミュージアムのコンセプトを打ち出しました。それは宜蘭全体を一つの博物館に見立て、蘭陽博物館を宜蘭の「窓口」とし、県内の博物館を結ぶプラットフォームとするものでした。2001年、台湾初の民間が自発的に組織した博物館家族連盟が宜蘭県で設立され、これは「家族」をコンセプトとした宜蘭博物館の想像共同体であり、今では宜蘭全体を一つの博物館とする重要な基礎となっています。これらの小さいながらも美しい60余りの宜蘭博物館の家族は、蘭陽博物館を中心に、公私で協力しながら宜蘭博物館運動を展開し、一方で地方学習の中心的役割を担い、もう一方で地元文化の特色の保存に取り組んでいます。それぞれのつながりを経て、単独での視点を超え、共通券やや共催展、収蔵品の整理、現地の記録、共同宣伝、ウェブサイトの統合などを通じて、宜蘭全体を一つの博物館とする活動を展開しています。