昔の穀倉は、まちの記憶とアイデンティティを納める場所に

 宜蘭大二結の町づくりは、「千人移廟」(人力で廟を移動)の活動から始まりました。二結圳の改修工事に対する地域の働きかけにより、二結圳に生活歩道が実現したことから、地域の住民は自らが公共事業にも影響を与えることができ、それにより地域自体にも変化がもたらされることを知りました。人と現代の生活を核心とした大二結の町づくりは、「千人移廟」や二結圳の運営から始まり、近年の伝統芸術研究所、祈冬文化祭などでも感動的な物語が次々と掘り起こされました。住民の参与や文化の形成を通じて絶えず地域の共同認識を凝集し、忘れかけていたかつての人と人、人と環境との関係を取り戻していきます。