平等権と文化権

博物館には壁がない

 社会の多元化とエスニック・グループの発展に順応するため、博物館は終身学習の場として、政治や民族を超えた現代社会の議題に応えることも試みており、身近で種類の異なった対象(児童、青少年、高齢者、心身障害者など)、集団(先住民、新住民、移住労働者など)に対し、関連のあるイベントや措置を企画しています。博物館が備えている特色や地域性から出発し、多元的な文化の展示、バリアフリー、友好的な観覧環境、高齢者向けサービス資源ネットワーク、「アート・ケア・プロジェクト」、新住民サービス大使募集計画、多言語ガイドサービスなど、来館者の要求に応えられた、心のこもったサービスを提供しています。また文化の異なるエスニック・グループを招き、公共サービスに参画してもらうことによって、平等な文化権を促進し、文化参与の差を補っています。

 この他、博物館もハイテクを取り入れ、コミュニケーション・デザインの媒介に用いており、来館者の博物館での学習や体験を高め、差異の理解を通して、互いに受け入れ、尊重し、平等権と文化権精神を期するとともに、多元的なエスニック・グループが文化へ接近する権利を保障しています。